賛否両論?これがオートチューンだ!

音楽

昨今ものすごい勢いで広まりHIPHOPだけでなくロックやポップスまで広がりを見せる「オートチューン」って知っていますか?
実はこれが、あまりにも流行りすぎて賛否両論を呼んでるんですよね。
今回はこれについて少し語ってみます。

オートチューンて何?

「オートチューン」というのは商標なので名称は様々なのですが、わかりやすくいうと”エフェクター”という音に効果を与える装置の一種で、歌声や声の音程を強制的に補正できる機能です。
昔ながらの使いどころというと歌のあまり上手くない歌手に”こっそり”かけて少しでも歌を上手く聞かそうというのが使いどころだったのですが、今ではパラメーターを極端に設定してエフェクトをかけることで独特の歌声を出すために使うことが多いようです。
”おととし”ぐらいに海外で火が付き瞬く間に広がっています。
オートチューンで何ができるかは次の動画を見てください。英語でしゃべっていますが下手な日本語動画より格段に良くわかります▼

Using Auto-Tune in Fun Ways (Song + Vlog)

日本のHIPHOPで言えば「BAD HOP」のYZERRが多用してますかね。
こんな感じです。

YZERR / INTRO (Official Video)

もっと有名どころでいうと「Perfume」が多く使っている印象です。テクノやEDMでは昔から使用されてきてます。こういうケロケロボイスと称される独特の声になります。

なぜオートチューンが多用されるのか

ぶっちゃけ海外では、もう下火の傾向にあります。
オートチューンの多用に苦言を呈すアーティストも数多く出現し多用を自粛してる感すらあります。
しかし昔からオートチューンに頼ってきたアーティストは使うことを止めるに止められず未だに使用しているといった感じです。
ここからは持論です。
私は広まった背景にオートチューンの「イマドキ感」以上にスキルを度外視できるという思惑が絡んでいるのではないかと思います。
もともとスキルを補うための「オートチューン」だったのは紛れもない事実ですが、使用していることがバレるとスキルの無さを逆に露呈してしまう危険もはらんでいました。
しかし今はガッツリかけて「イマドキ感」を全面に押し出し、スキルの無さを影に隠しているような気がします。
イマドキっぽいからかけてんだよ!下手だからかけてるんじゃないよ!という感じ。

オートチューン「あり」「なし」の違い

面白い動画がありました。
新旧のラッパーの歌声の「オートチューン」をONの場合、OFFの場合を切り替えて聞かせてくれます。
過去に記事にした女性ラッパーも登場します。>>おすすめ女性ラッパー
惜しむらくは同じ曲ではないことですが、本当のスキルを実感できる動画です▼

HIS AUTO-TUNE STOPS WORKING LIVE… (Drake, Cardi B, Kendrick Lamar & MORE!)

本物のスキルの持ち主は切り替えに違和感が少ないと思いませんか?
これだけで測れるものでは無いですが、スキルが隠されている現状は分かると思います。

オートチューンは善か悪か

私は音楽に好き嫌いはあっても良い、悪いはないというスタンスで音楽を聴きます。
その観点から言わせてもらうとオートチューンを多用することは「好きではないです」
というと語弊がありますが、私はただ流行りに乗っかった画一的な音楽が苦手です。

流行りと「ベタ」

しばしばベタと流行りは混同されがちですが、私は流行りにのっかるのと「ベタ」を取り込んでいくのは全くの別物だと思っています。
音楽には2つの楽しみ方があります。それはベタと裏切り。
「こう来るぞこう来るぞーほらねー!」と言うのと「そう来たか―!」というやつです。
どちらも音楽の醍醐味ですよね。
しかし流行りに乗っかている音楽は、このどちらでもないと感じてしまいます。
「はいはい」って感じで聴いてしまいます。
言ってしまえば「ベタは」様式美、流行りは「マンネリ」と言えるかもしれないですね。

負のオートチューン

前段で語ったYZERR氏。
私は一つだけ疑問に思った行動がありました。
動画を探したのですが出てきませんでした。
記憶だけが頼りなので間違っていたら訂正してください。
多分AbemaTVの「Smash HIT」っていう番組だったと思います。共同作業で初対面のプロデュサーと曲を制作、同時進行している、もう一組と同じ舞台で披露して観客に勝敗を決めてもらうという番組。
あの中で本番間近のリハーサルかなんかでのYZERR氏のパフォーマンスは明らかに完成度が低かったです。曲は既に完成していたにもかかわらずです。自身でも、そう発言していたように記憶しています。
すると驚くことにYZERR氏はオートチューンの使用を提案したんですよね。
プロデューサーに。
最近のラッパーってカッコ良くないじゃないですか見た目だったり雰囲気だったりファッション性だったり良い意味でこだわってない感じ。その中で唯一「おっ」って思ってたのがBAD HOP でありYZERR氏だったので本当にびっくりと言うかガッカリしました。マイナスからの叩き上げって思っていたのでなおさら。
これこそ私が感じる、スキルを隠すための「負のオートチューン」そのものだと思ってしまいました。

オートチューンはスキルじゃない

個人への批判は、このぐらいにして。
最後にHIPHOPを長いこと聴いてきた私が言いたいことを少し。
流行りに乗っかってオートチューンを使うのは全然良い。
でもオートチューンは手法であってスキルじゃないってことをわかってほしいなと思います。
飛び道具であってリスナーを騙すためのものじゃないってことです。
リスナーはそんなことじゃ騙されないですが…
やっぱり音楽が音楽たる所以は「スキル」と「スキルの融合」で人に感動や気づき、癒し、楽しみを与えるものだと思ってます。機械を使うことを悪と言ってるわけではありません。機械に頼るのではなく、機械は使うものだって思考が大事だと思います。
オートチューンもスキルにのってこそ輝く。スキルから良いものは生まれる。
オートチューンの解説から大分それましたが、ラッパーを目指す方たちに言いたい。
「毎日磨くのはスニーカーとスキル」

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